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よくある質問

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よくある質問(FAQ)

 

執行猶予取消の送達は?

執行猶予判決を受けた後に、執行猶予期間中に事件を起こしてしまうこともあります。

そのような場合に執行猶予が取り消されることも多いのですが、微妙なタイミングのときもあります。

新事件の判決確定を先送りにしようとした場合、検察官からの執行猶予取消請求がされることもあります。この取消決定の送達が争われた事件があります。

今回は、最高裁平成29年1月16日第二小法廷決定の紹介です。

 

事案の概要

申立人は、まず平成26年1月28日に窃盗罪により懲役2年、執行猶予3年の刑の言渡しを受けました。この判決は、同年2月13日に確定しています。

次に、平成27年5月14日に窃盗未遂罪により懲役1年、保護観察つき執行猶予4年の刑の言渡しを受けました。この判決は、同月29日に確定しています。

申立人は、いずれの執行猶予期間中でもある平成28年6月~7月までに3件の窃盗をしたとして起訴されました。

同年11月21日に懲役6月の実刑判決を受け、被告人が控訴。

 

この控訴審中に、検察官が、上記2件の各刑の執行猶予取消を裁判所に請求。

裁判所は、同年12月12日、2つ目の判決の執行猶予取消を決定。

さらに、刑法26条の3により1つ目の執行猶予取消を決定。

この執行猶予取消手続では、被告人は弁護人2名を選任していました。

裁判所は、決定謄本を、検察官と主任弁護人に送達したものの、被告人本人には送達しませんでした。

弁護人は刑事訴訟法規則62条1項の送達受取人には選任されていませんでした

 

被告人は、この各決定に対し即時抗告。

しかし、いずれも棄却され、特別抗告。

 

このような流れで、刑訴法349条の2第1項による刑の執行猶予取消決定において、決定謄本の送達を被告人が受けていない点が問題となり、送達を受けるべき者は誰であるのか、また、選任した弁護人に対して送達された場合に、その送達の効力が被告人にも生じるのかが争われました。

 


最高裁判所の決定


各原決定取消し、原審差戻しとなりました。

 

刑訴規則34条は、「裁判の告知は、公判廷においては、宣告によってこれをし、その他の場合には、裁判書の謄本を送達してこれをしなければならない。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。」と規定しているところ、刑の執行猶予の言渡し取消し請求において、同条により刑の執行猶予の言渡し取消し決定(刑訴法349条の2第1項)の謄本の送達を受けるべき者は、検察官及ぴ猶予の言渡しを受けた者であり、また、同謄本が、被請求人の選任した弁護人に対して送達されたからといって、被請求人に対する送達が行われたものと同じ法的な効果は生じないと解するのが相当であるとしました。

原々審は、各原々決定の告知の手続に刑訴規則34条の解釈適用を誤った違法があり、これらを是正せずに各即時抗告を棄却した各原決定も同様の違法があるとして、各原決定を取り消し、差し戻しました。

 

 

執行猶予取消とは?

執行猶予取消には、2種類あります。

刑法26条の必要的取消と26条の2の裁量的取消です。

刑の執行猶予取消手続は、刑事訴訟証349条・349条の2、刑事訴訟法規則222条の4~222条の9に定めがあります

保護観察の遵守事項違反以外を理由にする執行猶予取消の場合、まず、検察官が裁判所に請求、裁判所が被請求人またはその代理人の意見を聴いて判断する手続となります。

保護観察の遵守事項違反を理由とする執行猶予取消の場合、保護観察所長の申出が必要になります。

また、その後の手続においても、被請求人の請求があれば口頭弁論が必要です。ここで、被請求人は弁護人を選任することができます。

通常、裁判所から被請求に対する求意見の際に、口頭弁論を請求することができるという説明と、請求する場合に弁護人を選任することができるという旨を知らせて、回答を求めます。

 

執行猶予期間と有罪判決の確定時期

後者のような保護観察の遵守事項違反を理由とする執行猶予取消請求は、保護観察付き執行猶予期間中に、犯罪行為をしたものの、有罪判決確定までに時間がかかり、猶予期間が過ぎてしまいそうな場合に請求されることが多いです。

保護観察における、「再び犯罪をすることがないような生活」という遵守事項違反を理由にされます。

本件でも、最初の執行猶予判決における猶予期間が平成29年2月12日に満了するところ、被告人が控訴し、実刑判決の確定が遅れる可能性が高かったことから、検察官による請求がされたものと思われます。

 

刑事裁判の告知は誰にすれば良い?

裁判の告知について、誰にすれば良いかという点はいろいろな考えがあり確定していません。

保釈に関する決定の送達でも問題にされるところです。

民事訴訟の場合、訴訟代理人である弁護士に送達されます。判決等も代理人が受領することで控訴期間がスタートします。

刑事裁判でも同じように考えるのかが問題となります。

刑事事件の判決では、通常、法廷で被告人にも告知されますが、書面でされる決定の場合にどうするのかという問題です。

今回の決定は、刑の執行猶予取消決定の告知をする際、決定謄本の送達は、検察官と被請求人に対してすべきと判断しました。弁護人に対して送達しても、被請求人に対して送達がされたものとみなすことはできないとしたものです。

刑事訴訟法では、被告人への送達と弁護人への送達とは区別されています。

特に執行猶予取消などの決定は、直接の効果が及ぶ被告人、被請求人本人にこそ告知することが重要となります。

そのような点から、本人への送達が必要との判断は妥当でしょう。

 

 

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