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よくある質問

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よくある質問(FAQ)

 

少年院の戻し収容事件とは?

 

少年院を仮退院したものの、また戻されることがあります。

このような事件は、戻し収容申請事件と呼ばれます。

仮退院後に言うことを聞かなかったりすると戻されてしまうのです。

ここまでの事件は、それほど多くはないのですが、年に何件かはありますので、少年や保護者にとっては注意が必要です。

どのような事件で戻されるのか、裁判例を紹介します。

福岡高等裁判所令和元年7月24日決定です。

 

 

戻し収容申請事件とは

戻し収容申請事件とは、再度少年院に戻すかどうか決める事件です。

少年院入所後、仮退院。

保護観察中に、遵守事項を遵守しない場合等に、地方更生保護委員会から、家庭裁判所に申請。

一定期間、少年院に戻して収容する決定をするか審理される事件です。

この収容には、仮退院の取消しと収容期間の延長という2つの側面があります。

 

 

 

事案の概要

少年は、もともと、仮退院後に実母との同居を希望していました。

実母に引受意思はありました。

しかし、実母は障害を抱えており、少年を養育した経験はなかったのです。

保護観察所によって、生活環境が調整されました。

結局、実母方を帰住地としつつ、障害者支援施設で生活させることとなりました。名目としては旅行という扱いとしました。

さらに、障害福祉サービス事業所に通所させ作業させることになりました。


少年は、少年院仮退院後、数か月で、通所先の事業所で、器物損壊や暴行等を繰り返してしまいます。

事業所との契約も解除に。

 


保護観察所長が、このような状況で、実母による引受、監護は難しいと判断し、家庭裁判所に対し、戻し収容の申請をした、という経緯です。

 

家庭裁判所の判断

第1種少年院を仮退院した少年に対し、第3種少年院戻し収容としました。

少年が抗告。

 

高等裁判所の判断

抗告棄却。

抗告申立の論旨は、要するに、少年は、仮退院後の保護観察を継続することにより社会内で更生することが可能であるから、第3種少年院に収容した原決定の処分は著しく不当である、と位置づけ。


そこで、記録を調査して検討するとして展開していきます。


少年は、平成28年、ぐ犯保護事件により第1種少年院送致決定を受けて少年院に収容され、平成30年に少年院を仮退院。少年は、母親方への帰住を希望したが、母親は、身体障害者であり、少年を養育した経験がなく、適切な対応を期待し難いこと等から、障害者支援施設に入所し、障害福祉サービス事業所に通って働きながら生活することになったと認定。

また、少年は、仮退院の日、母親とともに、保護観察官から、遵守事項に違反すれば少年院に戻されることについて説明を受けたと指摘。

その後、少年は、始めは意欲的に仕事に取り組んだが、同年から平成31年にかけて、上記事業所において器物損壊や暴行等の粗暴な振る舞いを繰り返し、上記事業所との契約を解除され、日中も上記施設で過ごすことになったと認定。

 

契約解除後の言動


この間少年は、保護司らから遵守事項を守るように再三指導されたが、反省は深まらず長続きもせず、結局、上記施設においても器物損壊行為を繰り返した末に令和元年に上記施設の職員に対する暴行に及んだと指摘。

少年は、仮退院後、ぐ犯保護事件において指摘された窃盗や性的逸脱行動には出ていないので、少年院による矯正教育がある程度効果を上げているが、いまだ自分の感情や行動を制御する能力が十分ではなく、一方的に不満を募らせては感情的に器物損壊や暴行等に及ぶ傾向が改善されていないと言及。

少年には、遵守事項を守らず、器物損壊や暴行等、他に害を及ぼす行為に出るおそれがあるということができるとしました。


しかも、少年は、粗暴な言動を繰り返すため、もはや上記施設等による支援を期待することはできず、今さら養育経験のない身障者の母親に少年を引き受けて監護させることも適当ではなく、他に適切な監督者もいないと指摘。


したがって、原決定が、少年について、再非行を防止し、感情や行動を制御する力を身に着けさせ、社会適応力を高めさせるため、少年院に戻して収容した上で矯正教育を施すことが必要かつ相当であると判断したことは正しく、これが著しく不当であるとはいえないと結論づけました。


よって、少年法33条1項により、本件抗告を棄却。

 

 

戻し収容事件のポイント



戻し収容の要件として、家庭裁判所において「相当と認めるとき」というものがあります(更生保護法72条1項)。

判断のポイントととしては、当初の少年院送致処分の判断に近いものがあります。

少年の資質や非行歴、保護者の保護能力、環境などがあります。

また、それ以外に、遵守事項違反や保護観察所の指導に対する態度、以前との状況比較が新しいポイントとして加わります。

これらの点から、再非行のおそれも検討されるでしょう。

本件では、少年には、知的能力に大きな制約があった点も考慮されたものと思われます。

抗告申立書は、ひらがなで書かれたものでした。

粗暴的な行動に出る傾向も考慮されたものでしょう。

 

戻し収容申請事件の多くは、仮退院後に保護観察所の指導に従わなかった、遵守事項に違反したなどということから起こされています。

統計的には、年間数件から十数件という事件ですが、仮退院した後も、このような手続きがあることは忘れてはいけません。

 

 

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