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よくある質問

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よくある質問(FAQ)

 

交通違反反則金で刑事裁判になるケースは?

自動車の運転で交通ルールを破ってしまい、反則金を払ったことがある、という人は多いでしょう。

ただ、そこで内容を争うと、裁判になることもあります。

その手続が問題になったケースがあります。

最高裁令和元年6月3日第一小法廷判決です。

 

 

事案の概要

被告人は、自動車を運転中、赤信号を無視を疑われ、警察官らに停車を求められました。

被告人の主張は黄色信号。

赤信号違反を認めなかったこと、自動車からの降車も運転免許証の提示も拒否しました。

これらの理由で、道路交通法違反(信号無視)で現行犯逮捕されてしまいます。


被告人は、納得できず、現場でも、警察署でも、対面信号機が赤色であったことを示すパトカーに車載されたカメラ映像を見せてほしいと求めました。

しかし、警察官らに、そのようなものはないと断られてしまいます。

そこで、交通反則告知書の受領を拒否。

警察官らは、受領拒否事件(道交130条2号)として処理することに。


被告人は、検察官調べでも、この主張をし、車載カメラの映像を見せられました。

そこで、一転して違反を認めて、交通反則通告制度での処理を求めました。

しかし、その要求が受け入れられなかったので、正式裁判を希望。

 

高裁までの判断

第1審では、公訴事実の犯罪事実を認定。

罰金9000円とする有罪判決。

控訴審は、職権で判断し、本件公訴提起は、道交法130条各号に該当しないのに、同条所定の手続を履践せずになされた無効なものであるとしました。

第1審判決を破棄し、公訴を棄却。

検察官が上告。

 

最高裁の判断

原判決を破棄する。
本件控訴を棄却。

 

職権調査により、原判決は、刑訴法411条1号により破棄を免れないとしました。

 

本件公訴事実の要旨は、「被告人は、平成27年7月12日午後8時11分頃、大阪府内の道路において、信号機の表示する信号を確認し、これに従うべき注意義務があるのにこれを怠り、過失により、信号機の表示する赤色の灯火信号を看過してこれに従わないで、停止線を越えて普通乗用自動車を運転して進行した」というものでした。

被告人は、公訴事実を争わず、第1審判決は、公訴事実どおりの犯罪事実を認定し、被告人を罰金9000円に処しました。

被告人が、第1審判決に対して訴訟手続の法令違反、量刑不当を理由に控訴したところ、原判決は、控訴理由に対する判断に先立ち、職権で、本件公訴の提起は、道路交通法130条各号に掲げる場合でないのに、同条に掲記された手続が行われることなくされたもので無効であるから、第1審裁判所は不法に公訴を受理したものであるとして、刑訴法397条1項、378条2号により第1審判決を破棄し、同法338条4号により本件公訴を棄却しました。

 

最高裁は、原判決の上記判断は是認することができないとしました。

 

 

事実経緯の整理

被告人は、平成27年7月12日午後8時11分頃、大阪府内の道路において、赤色の灯火信号を看過してこれに従わないで、停止線を越えて普通乗用自動車を運転して進行。

同所付近で交通取締りに従事していた警察官らは、上記事実を現認したことから、直ちにパトカーを発進させて追跡を開始し、被告人車両を停止させました。

警察官らは、被告人に対し、赤色信号無視を現認したなどと告げて降車するように求めたが、被告人が、黄色信号だったと主張して違反の事実を認めず、降車を拒否し、運転免許証も提示しなかったことから、被告人を道路交通法違反(信号無視)の現行犯人として逮捕。


被告人は、交通取締りの現場や逮捕後に引致された警察署で、警察官らに対し、対面信号機が赤色であったことを示すパトカーの車載カメラの映像の提示を求めましたが、警察官らは、その映像が存在するにもかかわらず、そのようなものはないと言って拒否。

警察官らは、被告人を釈放した後、交通反則切符を作成し、被告人に対し、交通反則告知書の記載内容及び交通反則通告制度について説明。

しかし、被告人が「信号は黄色や」などと上記主張を繰り返し、交通反則告知書の受領を拒否したことから、本件を受領拒否事件として処理することとしました。

 

被告人は、検察官から取調べを受けた際も、対面信号機は黄色であったと主張したが、その後、本件車載カメラ映像を見せられると、赤色の灯火信号を看過した事実を認め、交通反則通告制度の適用を求めました。

検察官は、平成28年4月5日、被告人を起訴し、第1審裁判所は、公判期日を開いて審理した上、同年6月14日、公訴事実どおりの事実を認め、被告人を罰金9000円に処する判決を言い渡したという経緯です。

 

一度拒否していることを重視


原判決は、被告人が交通反則告知書の受領を拒んだのは、本件車載カメラ映像が存在するにもかかわらず、そのようなものはないと言って提示を拒否した警察官らの不誠実な対応が一因を成しているというべきであるから、そのことを棚に上げ、一旦交通反則告知書の受領を拒んだ以上その効果は覆せないなどとして、道路交通法130条2号に当たると解するのは、信義に反するものであり、被告人が本件車載カメラ映像を見せられた後、速やかに交通反則告知書受領の意思を示した本件のような場合は、被告人が一旦交通反則告知書の受領を拒むという事態があったとしても、同号に当たらないと解するのが相当であるとするとしています。


しかしながら、上記の事実経過のとおり、被告人は、警察官らが交通反則告知書の記載内容及び交通反則通告制度について説明をした際、赤色の灯火信号を看過した事実を否認して交通反則告知書の受領を拒否したのであるから、道路交通法130条2号に該当する事由があることは明らかであるとしました。


なお、被告人が赤色の灯火信号を看過したことを示す証拠である本件車載カメラ映像の提示を求めたことに対し、それが存在するにもかかわらず、警察官らがそのようなものはないと述べたことがあったとしても、交通反則通告制度においては、同号該当性を否定する事情とはならないというべきであるとも言及。

したがって、第1審裁判所が不法に公訴を受理したものということはできないと結論づけ、原判決を破棄としました。

 

反則金制度

交通違反事件では、比較的軽い反則行為について、特例があります。

刑事手続ではない処理が認められているのです。

交通反則通告制度と呼ばれます。

 

警察官は、居所や氏名不明の場合、逃亡のおそれがある場合をのぞいて、速やかに反則行為の要旨を書面で告知、その報告を受けた警察本部長が告知内容に誤りがないと判断すれば、反則金の納付を書面で通告するとされています(道交法127条1項)。

告知や通告を受けた反則者は、これに従い、期限までに反則金を払えば公訴提起はされません。

ただ、反則者が「書面の受領を拒んだ」ことで、告知や通告ができなかったときは例外とされています。

そこで、このような受領拒否として、公訴提起できるかが争われたのが本件です。

 

実質的に受領拒否になる?

本件では、一度は拒否しているので、形式的に受領拒否となりそうです。

裁判例のなかには、ここでの受領拒否を「反則者が正当な理由なく書面の受領を拒んだため、交通反則通告手続による処理が困難となる場合」というように解釈するものもあります。

しかし、実質をみて判断しなければならないとすると、大量に発生する交通違反事件を簡易迅速に処理できなくなります。

この制度趣旨はここにあります。

今回の最高裁の判断は、制度趣旨を重視した判断とおもわれます。

その際、警察官の虚偽説明があったとしても、形式的な該当性は覆られないとしたものです。

警察官は、被疑者から今回の映像のように、証拠の有無を聞かれても、正直に答えないことは多いです。

捜査段階での開示義務まではないことから、やむを得ない状況もあるとは思いますが、今回のように事実確認のために求められているのであれば、開示してあげればよかったのではないかとも感じます。

 

 

 

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