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犯罪による収益の移転防止に関する法律違反の弁護事例

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解決事例

 

犯罪による収益の移転防止に関する法律違反の弁護事例

犯罪による収益の移転防止に関する法律違反事件の事例です。

この法律は、詐欺などを含めた犯罪収益を防ぐため、預貯金の通帳やキャッシュカードなどの譲渡等を取り締まる法律です。

 

他人になりすまして預貯金契約をしたり、これを第三者にさせることを目的として、当該預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるために必要なものとして政令で定めるものを譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとされています。

また、通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とするとされています。

 

こちらは、渡した側も処罰対象とされます。

相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とするとされています。

通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とするともされています。

 

キャッシュカード、通帳の譲渡

キャッシュカード等を、何らかの理由で第三者に送った場合、こちらの適用があるかどうか、主観面を争うケースも多いです。

今回の相談では、融資目的でキャッシュカード、通帳等を郵送し、これが悪用され、相談者も起訴されたという内容です。

ヤミ金に近いような融資関係や詐欺で、このようにカードを送ったり、暗証番号を教えてしまうことも増えています。

これらの被害に遭うだけでなく、自身も犯罪者になってしまうリスクがある行為となります。

 

今回のケースでも、公判前整理手続きを経たうえで、無罪主張をしましたが、残念ながら一審で有罪判決、控訴まではしないということで確定しました。

相談者としては、自分の主張はしっかりしておきたいということで、日本の刑事裁判の有罪率なども知った上での争いだったので、納得できたとのことでした。

 

犯罪になってしまった経緯は?

本件は、被告人が「街金」という単語でインターネット検索をして見つけ出した業者から借入れをしようとした際、「融資の審査のために必要」と騙されて、被告人名義の普通預金口座の預金通帳、キャッシュカード及び暗証番号を記載した紙片を、指定された私書箱宛てに郵送してしまったという事案でした。

 

起訴内容としては、「融資を受ける約束で」預金通帳等を郵送し、もって「有償で」預金通帳等を交付・提供したものとされています。

これに対し、被告人は、あくまで「融資の審査を受けるために」預金通帳等を送付したとの主張で、「融資を受ける約束」は成立していないから、「有償で」の要件は満たさないという主張となります。

 

「有償で」の意義

犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯収法」という)28条2項後段所定の「有償で」とは、金銭その他の対価を交付すること若しくは対価となるべき利益の供与を行うこと又はそれらの約束をすることであり、金銭等の対価の交付等を約束したうえで預貯金通帳等を交付すれば足り、現実に金銭等の対価が交付されるなどすることは必要ないとされています。


よって、「融資を受ける約束で」預金通帳等を送付すれば、現実に融資を受けることができなくとも、「有償で」の要件を満たすことになります。


一方、犯収法28条2項後段の立法趣旨は、金融機関において適正な本人確認を受ければ、無償あるいは低額な口座開設資金で預金通帳等を入手できるにもかかわらず、わざわざ他人から有償で通帳等を譲り受けるような場合には不正利用目的があると考えられ、譲渡する側も相手方の不正目的を知っていたものと推認されるから、同項前段所定の「なりすまし目的の知情」を要件としなくとも、前段同様処罰することができるという点にあります。


この点、融資の審査を受けるために預金通帳等を交付する場合には、融資を希望する本人の通帳等でなければ意味がないのであるから、交付の相手方において適正な手続を踏めば、自ら無償あるいは低額な口座開設資金で通帳等を入手できるという犯収法28条2項後段の立法趣旨が前提とする事実があてはまらないともいえます。

また、「有償で」の文言の解釈として、融資の審査を受けることまで含めるのには無理があるでしょう。


したがって、本人確認等の融資の審査を受けるために預金通帳等を交付した場合には、「有償で」の要件は満たさないものと考えられるとの法的主張でした。

 

法廷では、「インターネットで『街金』という単語で検索し、ヒットした業者に対して融資の申込みをした」等の供述もあり、審査のための材料の追加提出を求められた点についても、合理性が認められると主張し、相手業者が違法な組織であるとの認識は全くなかったと主張したものの、残念ながら裁判所では通りませんでした。

 

 

 

 

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